〜前回からの続き〜
僕の机の落書きに誰かが書き足した
「私もブルーハーツ大好きです」 の文字。
いるんだきっと!。
この学校にも同じ趣味を持った人が。
それもこの教室に出入りするぐらい、僕の身近なところで…?。
そしたらなんだかソワソワしてきて。
誰か見てくれるかもしれないからと、その日からは書いた落書きを全部は消さずに、少し残して帰るようになりました。
そして数日後、僕がその日落書きしたリンダリンダの詞と、ぴょんぴょん跳び跳ねてるヒロトのイラストに対して、またあの書き足しがされていたのです。
「このヒロトかわいいですね 私はブルーハーツの曲ではラブレターが好きかな」来たよこれ!。嬉しいじゃん!。
調子に乗った僕は、すぐにその人が好きだという 『ラブレター』 の歌詞と、それを歌うヒロトを描きました。
その曲のプロモーションビデオで見た、アロハシャツ姿のヒロトをね。
ただ、「これはさすがにマニアックすぎたかな…?」 とも思った矢先、
「ラブレターのPVですね あれはハワイで撮ってみんな楽しそうでしたね」すごい、向こうもかなり詳しいみたい!。 そんな人としゃべってみたかったんだ。
もう僕の中でその人への興味が日に日に大きくなってきて。
「一体どこの誰だろう?」 と考えたときに、僕の机で授業を受けてる人間がこの学校にはもう一人いることを思い出したんですよ。
それは、夜間定時制の生徒。
そして自分のことを 「私」 と書いていることから、おそらく女子なんじゃないかと。
そうなってくると…ゴメンナサイ、
がぜんテンションの上がってる自分がいて(笑)。
だってうちの学校では全日制と定時制の生徒同士が交流を持つことは基本的に禁じられているのに、こんな形で出会うなんて。
イケナイ、そんなドラマみたいな展開があっていいのかい!?。
なんて、考えるだけで夜も眠れなくなっちゃうわけですよ♪♪。
そこでついに、僕の方からも思いきって話しかけてみたんです。
今までは気になりながらもスルーしてたけど、
一言だけ書いたんだ、
「定時制の人ですか?」…そしたらびっくりしましたねぇ。
見事にピタッと返事が来なくなっちゃって!(笑)。あれれ?、みたいな。
僕も何日か自分の書き込みを消さずに残してみたんだけど、ついに返事は来ず。
もういなくなっちゃったのかな?とか思いつつ、また元の何もない日常に戻ってしまいました。
なーのに、ところがどっこいだよ!チクショー。
僕がまた普通に落書きをするようになると、再びその人もさりげなく書き足してくれるようになって。
でも今度は僕に話しかけてくる感じじゃなくて、一人でつぶやくような文体に変わったんだけど。
僕 : 『人にやさしく』 の歌詞を書く
その人 : 「人にやさしくには励まされたなぁ」僕 : 『夕暮れ』 の歌詞と、それを演奏するヒロトの絵を書く
その人 : 「夕暮れのギターを弾くときのヒロトはチャーミングだと思う」…これどういう関係?(笑)。
わかんないけど、もう一度話しかけたら今度は上手くいくんじゃないかという気になってきて、再アタックしてみましたよ。
「ブルーハーツのファン歴は長いんですか?」…そしたらびっくりしたね〜。
またもやピタッと返事が止まっちゃって!!w。デジャブー!?。 もうなんなのさ、そこの厳しい線引き(笑)。
ちょっと僕が近づく姿勢を見せるやいなや、サァーっと引いてしまうっていう。
“落書き以上、友達未満” なんて関係、聞いたことないわ。
もうそれで完全にめげちゃって。
そうかい、僕ってのは出会わずして脈なし男なんだなと。
そうこうしてるうちに学年も教室も変わり、その人とのミョ〜な関係もフェードアウトしていきましたけど。
だからここなんだよね、ドラマと現実の違いは。
現実は意外と何も起こらないっていう。
今の現役中高生たちにも 「青春に期待しないように!」 と言いたいよ、わたしゃ。
ただね、もしもさ…、
あくまでももしもだよ?、
あのときのあなたがこの日記を読んでくれてたとしたら…、
連絡待ってます!(笑)。
今からでも遅くないっす。
むしろブルーハーツ結成25周年ということで、若干チマタが盛り上がっている今こそがチャンスっす。 あざっす。
♪今日のBGM : 空も飛べるはず / スピッツ